王子古墳2

市内弥藤吾に所在する石仏を紹介します。 この石仏は、かつて王子古墳の上に建てられていた観音堂を、昭和43年に行われた発掘調査を機に、現在の場所に移動したものです。 石仏は、風化が進んでおり、3つの破片がコンクリートで接合され、覆い屋に納められています。縦160㎝、横110㎝、厚さ35㎝ほどで、石材の前面は、石仏を囲むように、106㎝×84cm程の方形に12㎝程彫下げた仏龕(ぶつがん)を造出し…

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王子古墳1

市内弥藤吾の王子古墳を撮影した写真を紹介します。 王子古墳は、直径28.5m、高さ1.5mの円墳で、石室は、砂粒・角閃石を多く含む凝灰岩の切石による横穴式石室と推測されますが、形状は不明です。 古墳の石室に使用された石材は、その特徴から、王子古墳から約15km離れた、群馬県太田市の藪塚周辺の八王子丘陵で産出する薮塚石と呼ばれる溶結凝灰岩です。古墳築造にあたり、約15km離れた石切り場で石材を…

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和算家飯田重太郎

市内河原明戸の和算家飯田重太郎(1874-1952)を紹介します。 重太郎は、明治7年(1874)飯田沖次郎の次男として生まれ、23歳の時、飯田善右衛門の養子となりました。 明治27年(1894)に清水定次郎鎮義の塾に入り、和算を学び、明治38年(1905)自宅に和算塾を開きました。重太郎は、性格温厚にして、懇切丁寧に弟子を指導したことから、県内各地より90余名の生徒を集めました。 昭和2…

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03 東別府祭ばやし保存会【第17回地域伝統芸能今昔物語 妻沼中央公民館 大ホール 2024.11.23撮影】

令和6年11月23日(土・祝)に、妻沼中央公民館大ホールで行われた「第17回地域伝統芸能今昔物語―埼玉県熊谷市・伝統芸能の力―」で披露された、東別府祭ばやし保存会による「東別府祭ばやし」を紹介します。 東別府祭ばやしは、江戸時代中期の 1700 年代から東別府神社の祭礼で奉納されるお囃子で、毎年 7 月下旬の夏祭りに、神輿が各地区を巡行するのに合せて囃子連が同行し、祭りを盛り上げます。囃子の演…

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富岡鉄斎筆「中国の風俗図」

江南文化財センターで所蔵する、熊谷市指定有形文化財絵画、富岡鉄斎(1837-1924)筆の「中国の風俗図」を紹介します。 当時日本でイメージされていた唐人を真似て、赤い着物を着て唐人笠を被り、唐人笛(チャルメラ)を吹きながら踊る男性の周りに、楽しそうに2人の子供が寄ってきています。 この男性は、唐人飴売りと呼ばれた、江戸時代後期から明治にかけて、市中で飴を売り歩いた行商人です。異国人風の格好…

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02 妻沼幼稚園【第17回地域伝統芸能今昔物語 妻沼中央公民館 大ホール 2024.11.23撮影】

令和6年11月23日(土・祝)に、妻沼中央公民館大ホールで行われた「第17回地域伝統芸能今昔物語―埼玉県熊谷市・伝統芸能の力―」で披露された、妻沼幼稚園 による「実盛慕情」を紹介します。 妻沼幼稚園は、昭和26年(1951)、妻沼聖天山歓喜院の境内に開園された幼稚園で、個性に輝き、元気で明るくおおらかで、協調性と忍耐力のある賢い子どもの育成を目指しています。演目となる「実盛慕情」は、斎藤別当実…

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冑山神社の彫刻4

冑山神社の彫刻の紹介4回目。今回は、本殿左面の胴羽目彫刻「七福神」です。 一番右は毘沙門天。革製の甲冑を付け、右手に宝棒、左手に宝塔を持って、前の弁財天を見ています。弁財天は、琵琶を弾いています。その左手前には、膝を立てて座る福禄寿。長頭で髭を生やし、肩に何か載せています。中央は、鯛の付いた釣竿を持ち、陽気に踊る恵比寿。その右には、不老のシンボル霊芝を持つ寿老人。その前には、頭巾を被り、手をた…

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冑山神社の彫刻3

冑山神社の彫刻の紹介3回目。今回は、本殿奥面の胴羽目彫刻「竹林の七賢人」です。 竹林の七賢人とは、3世紀の中国三国時代末期~晋代初期の政権交代時に、俗世間をさけて山中に隠遁し、礼節を捨てて竹林に会し清談を行った七人の思想家の総称です。 阮籍(げんせき)・嵆康(けいこう)・山濤(さんとう)・劉伶(りゅうれい)・阮咸(げんかん)・向秀(しょうしゅう)・王戎(おうじゅう)の七人です。彫刻では、中央…

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冑山神社の彫刻2

冑山神社の彫刻の紹介2回目。今回は、本殿正面唐破風下の「司馬温公の甕割り」です。 司馬温公(1019-1086)は、中国北宋の政治家・儒学者で、歴史書『資治通鑑』を書いた学者としても有名です。 『宋史』司馬光伝によると、司馬温公が子供の頃、庭で友達と遊んでいたところ、仲間の一人が誤って水がめに落ちてしまいました。他の子供は何もできずにただおろおろしていましたが、司馬光は、父親からしかられるの…

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01 上新田屋台囃子保存会【第17回地域伝統芸能今昔物語 妻沼中央公民館 大ホール 2024.11.23撮影】

令和6年11月23日(土・祝)に、妻沼中央公民館大ホールで行われた「第17回地域伝統芸能今昔物語―埼玉県熊谷市・伝統芸能の力―」で披露された、上新田屋台囃子保存会 による「上新田屋台囃子」を紹介します。 上新田屋台囃子は、江南地域の上新田地区にある諏訪神社の大祭で演奏される囃子で、江戸中期に原点があり、明治時代以降民俗芸能として本格的に継承されてきました。その経緯について記した『大帳』によると…

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